気体の性質と乾燥剤

気体の性質

気体におい水への溶解その他の性質乾燥剤1捕集法
H2無色無臭難溶中性、可燃性どの乾燥剤でも可水上置換
O2無色無臭難溶中性、助燃性どの乾燥剤でも可水上置換
Cl2黄緑色刺激臭やや溶酸性、酸化剤中性、酸性乾燥剤下方置換
HCl無色刺激臭極めて易溶酸性(塩酸)中性、酸性乾燥剤下方置換
H2S無色腐卵臭やや溶酸性、還元剤中性、酸性乾燥剤2下方置換
SO2無色刺激臭可溶酸性、還元剤中性、酸性乾燥剤下方置換
NH3無色刺激臭極めて易溶塩基性塩基性乾燥剤3上方置換
NO無色無臭難溶中性どの乾燥剤でも可水上置換
NO2赤褐色刺激臭可溶酸性(硝酸)中性、酸性乾燥剤下方置換
CO2無色無臭やや溶酸性(炭酸)中性、酸性乾燥剤下方置換4

*1 酸性乾燥剤…濃硫酸、P4O10、シリカゲル(極めて弱い酸性)
中性乾燥剤…CaCl2
塩基性乾燥剤…CaO、ソーダ石灰(CaO+NaOH)
*2 濃硫酸は不可
*3 CaCl2は不可
*4 水上置換の場合もある

色のついている気体 
Cl2黄緑色    NO2赤褐色    O3淡青

気体で他に注意すること
ヨウ化カリウムデンプン紙の青変で確認されるもの…Cl2、O3
酢酸鉛紙の黒変で確認されるもの…H2S(PbSが発生するため)

(a)水上置換
水に溶けないもの
〈例〉H2、O2、N2、CO、 NO

(b)上方置換
水に溶けて 空気より軽いもの
〈例〉NH3のみ

(c)下方置換
水に溶けて 空気より重いもの
〈例〉Cl2、HCl、SO2、 H2Sなど

上方置換か下方置換かは、空気の平均分子量より重いか軽いかで決まる。空気の組成はN2約80%、O2約20%であるから平均分子量を計算すると、
28×0.8+32×0.2=28.8
空気の平均分子量28.8 ※この数値は覚えた方がいい。これ以上は(重い気体)下方置換。これ以下は(軽い気体)上方置換。

気体の乾燥剤

発生した気体を乾燥させるのに乾燥剤を用いる。

乾燥剤性質乾燥に適した気体の種類
濃硫酸、十酸化四リン酸性酸性、中性の気体
塩化カルシウム中性酸性、中性、塩基性の気体
酸化カルシウム、ソーダ石灰塩基性中性、塩基性の気体

酸性の気体は塩基性の乾燥剤を用いたり、塩基性の気体は酸性の乾燥剤を用いてはいけない(反応するので)。中性の気体はどの乾燥剤でも可。

それ以外に使ってはいけない組み合わせ
NH3と塩化カルシウムの組み合わせ → CaCl2・8NH3となるため
H2Sと濃硫酸の組み合わせ      → Sが遊離するため(白濁する)

乾燥の例〈Clの発生装置〉
発生したClに同伴しているHClを水で除去した後、濃硫酸で乾燥して純粋なClを得る。

【問題1】次のうち、水上置換で捕集するのが最も適している気体はどれか。

【問題2】次のうち、乾燥剤として濃硫酸を用いることができない気体はどれか。