タンパク質

ペプチドとタンパク質

ペプチド結合

アミノ酸のカルボキシ基と別のアミノ酸のアミノ基が縮合してできるアミド結合‐CO‐HN‐を特にペプチド結合といい、できた化合物をペプチドという。また、2つのアミノ酸が結合したものをジペプチド、3つのアミノ酸が結合したものをトリペプチド、多数のアミノ酸が結合したものをポリペプチドという。

さまざまなタンパク質

分類名称性質存在
単純タンパク質可溶性(球状)アルブミン水に可溶。熱により凝固。卵白アルブミン、 血清アルブミン
グロブリン水に不溶。塩類水溶液に可溶。卵白グロブリン、 血清グロブリン
グルテリン希酸・希アルカリには可溶。小麦グルテニン、 米オリゼニン
プロラミン80%アルコールに可溶。小麦グリアジン、 大麦ホルジニン
ヒストン水・希酸に可溶。ヘモグロビンの成分のグロビン
プロタミン水・希酸・希アルカリに可溶。サケの白子のサルミン
不溶性(繊維状)ケラチンシステインを多く含む。毛髪・爪・角・羽毛などを構成
コラーゲン水と煮るとゼラチンを生じる。骨・軟骨・腱・魚の鱗などを構成
フィブロイン水・希酸に不溶。強酸に可溶。絹糸やクモの糸の主成分
**複合タンパク質核タンパク核酸と結合している。細胞核内にある
リンタンパクリン酸と結合している。牛乳のカゼイン、 卵白のヒデリン
糖タンパク糖と結合している。だ液中のムチン、 卵白オルバミン
色素タンパク色素と結合している。ヘモグロビン、 ヘモシアニン

*単純タンパク質…加水分解によりアミノ酸のみを生じる。

**複合タンパク質…加水分解によりアミノ酸以外の物質(糖類、リン酸、色素など)も生じる。

タンパク質の検出反応

ビウレット反応:トリペプチド以上が反応。
タンパク質の水溶液にNaOH水溶液を加えて塩基性にした後、CuSO4水溶液を加えると、赤紫色に呈色する。ビウレット反応は、Cu2+がペプチド結合と錯体を形成することにより呈色する。

キサントプロテイン反応ベンゼン環をもつタンパク質が反応。
タンパク質に濃硝酸(HNO₃)を加えると黄色になる。
さらに、塩基を加えると橙色に変化する。

硫黄反応硫黄を含むタンパク質が反応。
タンパク質の水溶液にNaOH水溶液を加えて煮沸し、中和してから、(CH3COO)2Pb水溶液を加えると、PbSの黒色沈殿が生じる。

ニンヒドリン反応アミノ基をもつ化合物が反応。アミノ酸でも起こる。
アミノ酸やタンパク質にニンヒドリン溶液を加えて加熱すると、青紫色になる。

タンパク質の立体構造

一次構造…タンパク質のアミノ酸の配列順序

二次構造
タンパク質のポリペプチド鎖がペプチド結合部分で水素結合を行い、タンパク質の二次構造が形成される。二次構造には、α‐ヘリックス構造β‐シート構造がある。

らせん状構造(α‐ヘリックス構造)

ひだ状構造(β‐シート構造)

高次構造
ポリペプチド鎖が二次構造をとるなかで、さらに折りたたまれたタンパク質特有の立体構造が形成される。システインの末端のSH基が酸化されてジスルフィド結合‐SSが形成されたり、側鎖のアミノ基とカルボキシ基間でアミド結合(イソペプチド結合)が形成されたりすることが要因である。

タンパク質の変性
タンパク質に熱、酸、塩基、アルコール、重金属イオンなどを加えると、タンパク質は凝固する。これをタンパク質の変性という。タンパク質の変性は、立体構造を形成する水素結合の切断に起因する。変性が起こったタンパク質は、もとの状態には戻らないことが多い。酵素など、生理活性をもつタンパク質が変性すると、その機能を失う(失活)。

酵素

生体内反応の触媒。主成分はタンパク質。

基質特異性
1つの酵素は特定の基質にのみ作用する。

酵素反応と温度・pH

温度の影響

最適温度がある。
高温で活性が低下するのは、酵素の主成分のタンパク質が変性(熱変性)するため。

pHの影響

最適pHがある。
多くの酵素はpH7(中性)付近。
胃液のペプシンはpH2(強酸性)付近。

【問題1】ビウレット反応に関する説明として正しいものはどれか。

【問題2】キサントプロテイン反応に関する説明として正しいものはどれか。