熱化学方程式と反応エンタルピー

エンタルピー

 圧力一定で物質のもつエネルギーを表す量。記号H(単位:kJ)で表す。

発熱反応…反応物のほうが生成物より大きなエンタルピーをもつ場合、反応により熱が放出される。

吸熱反応…生成物のほうが反応物より大きなエンタルピーをもつ場合、反応により熱が吸収される。

熱化学方程式では、通常の条件下で状態が明らかな物質は状態を明記しなくてよいが、水のように複数の状態が考えられる物質は、H2O(気)、H2O(液)のように状態を明記する。また、炭素のように同素体が存在する物質は、C(黒鉛)のように表記する。

反応熱の測定

 熱の出入りに伴う温度変化を測定し、ΔHを求める。発熱反応では温度が上昇し、吸熱反応では温度が下降する。

 ΔH =- Q =- mct

 Q:熱量〔J〕 c:比熱〔J/(g・℃)〕 m:質量〔g〕 t:温度変化〔℃〕

反応熱の種類

 種類反応エンタルピーの内容反応例
燃焼エンタルピー物質1molが完全燃焼するときのエンタルピー変化H2+1/2O2→H2O(液) ⊿H=-286kJ C(黒鉛)+O2→CO2  ⊿H=-394kJ
生成エンタルピー物質1molがその成分元素の単体から生成するときのエンタルピー変化C(黒鉛)+2H2→CH4 H=-75kJ 1/2N2+1/2O2→NO  ⊿H=+90kJ
中和エンタルピー酸と塩基が中和(H1molとOH1molが中和)するときのエンタルピー変化HClaq+NaOHaq →NaClaq+H2O  ⊿H=-56kJ
溶解エンタルピー物質1molが多量の水に溶解するときのエンタルピー変化KNO3(固)+aq→KNO3aq
H=+35kJ

【注】状態変化の熱量は次のように表す。

  • 融解熱 物質1molが融解するときに吸収する熱量
    H2O(固) → H2O(液)  ⊿H=+6.0kJ(0℃)
  • 蒸発熱 物質1molが蒸発するときに吸収する熱量
    H2O(液) → H2O(気)  ⊿H=+41kJ(100℃)

aq(アクア)は多量の水を表す。

【問題1】次の熱化学方程式に関する記述として正しいものはどれか。
H2 + 1/2O2 → H2O ΔH = -286 kJ

【問題2】次の熱化学方程式において、2 molの水が生成するときの反応エンタルピーとして正しいものはどれか。
H2 + 1/2O2 → H2O ΔH = -286 kJ